Plausible Analytics は、Cookie を使わず GDPR に配慮したアクセス解析ツールで、GA4 の代替として支持を広げている。設計思想がはっきりしていて、個人を追跡しないかわりに、サイト全体の傾向をシンプルに見せることに振り切っている。

Plausible が個人を識別する Cookie を置かないため、多くの運用形態で同意バナーを出さずに済む。あの「Cookie を許可しますか」のポップアップは離脱要因にもなるので、これを消せること自体が体験面のメリットになる。トラッキングスクリプトも軽量で、ページの表示速度への影響が小さい。

見られるもの・見られないもの

リアルタイムのダッシュボード、流入元やページ別の数字、Goals や Funnels による簡単なコンバージョン計測、API でのデータ取得が揃う。ダッシュボードは「必要な指標がひと目で分かる」割り切った作りだ。

裏を返せば、GA4 のような深掘り分析――細かいセグメント、複雑な多段ファネル、A/B テストとの統合――は守備範囲外だ。データドリブンに細部まで掘りたいなら物足りない。

移行で起きるギャップ

GA4 から乗り換える際に戸惑いやすいのが数字のズレだ。Plausible は Cookie もボットフィルタも GA4 とは別ロジックで動くため、同じサイトでも訪問者数やセッション数が一致しない。どちらが「正しい」という話ではなく計測定義が違うだけだが、過去の GA データと地続きで比較したい運用だと、ここで混乱が生じる。乗り換え時はしばらく並走させ、自サイトでの差分の傾向を掴んでおくのが現実的だ。

料金とセルフホスト

クラウド版は月間ページビューに応じた月額制。注目すべきは OSS のセルフホスト版があることで、自前のサーバーで運用すればライセンス費用はかからず、データを完全に自社管理下に置ける。ただしセルフホスト版はアップデートやバックアップ、ClickHouse まわりの運用を自分で背負うことになる。プライバシー要件が厳しく運用リソースもあるならセルフホスト、手間を払いたくないならクラウド、と素直に切り分けられる。