地図を表示するだけなら選択肢は多いが、日本国内の住所・店舗データの精度まで含めると Google Maps Platform は依然として基準点になる。地番レベルのジオコーディング、チェーン店から個人店まで網羅した Places のデータベース、口コミと営業時間が揃っているのは Google の長年の収集の蓄積によるところが大きく、これを他社で完全に置き換えるのは難しい。

どこで効くか

「ユーザーが入力した住所をピンに変換したい」「近くの店舗を探させたい」といった、日本のリアルな場所情報が品質を左右する機能では実質的に第一候補になる。逆に、地図のデザインを世界観に合わせて作り込みたい、ベクトルタイルを細かく制御したいといった用途では Mapbox の方が素直だ。

料金で注意すべき構造

月 200 ドル分の無料クレジットがあるため小規模なら無料で収まるが、課金は API ごとに単価が異なり、特に Places の Text Search や Directions は表示系より高い。料金が跳ねるのはたいてい「画面表示のたびに API を叩く」実装をしてしまったケースで、ジオコーディング結果のキャッシュとセッショントークンの利用は導入初期から組み込んでおきたい。Places のオートコンプリートはセッショントークンを正しく付けるかどうかで課金単位が変わるため、ドキュメントの料金区分は実装前に読み込んでおく価値がある。

規約面の前提

Google Maps Platform で取得した地図画像や場所データは、原則として Google の地図上での表示が前提になっており、データだけを抜き出して自前の地図に重ねる、長期保存する、といった使い方は利用規約で制限される。社内データベースに住所変換結果を蓄積したい場合は、規約上許される範囲を事前に確認しておくとトラブルを避けられる。

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API キーの露出に注意

JavaScript API のキーはクライアントに出るため、必ず HTTP リファラー制限と利用 API の制限をかける。無制限キーが漏れると課金被害につながる。

キーの制限を最初にかける

Google Maps Platform の API キーはフロントエンドに露出する前提で使われることが多く、制限をかけないまま公開すると第三者に流用され、請求だけが自分に来る。HTTP リファラーによる制限、使用できる API の限定、さらに予算アラートの設定までを、開発の初日に済ませておくべきだ。「後でやる」で最も事故が起きやすい API のひとつと言える。

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キーの流用は請求として現れます

制限のないキーが公開リポジトリやフロントのソースから拾われ、他サイトで使われる事例は珍しくありません。リファラー制限と API 制限をかけ、日次の使用量に上限アラートを設定してください。無料枠を超えた分は従量課金として積み上がります。

表示に関する規約の制約

地図データやストリートビューの扱いには、表示方法に関する規約上の制約がある。取得した緯度経度を自前で保存して別の地図サービスに重ねる、といった使い方は制限に触れる場合がある。地図を出すこと自体は素直だが、データを加工・保存・再利用する方向に踏み込むときは、規約の該当箇所を確認してから設計を決めるほうが安全だ。